「月下の恋人」・「つばさよつばさ」
2回連続で、記事カテゴリーが浅田作品になってしまいましたが、まあ、大好きな作家さんなので、大目に見てやって下さい笑。
今回読んだのは、「月下の恋人」(光文社文庫刊)で、11篇が収められている短編集です。今回は、どの作品も、作中の謎を読者の想像力に任せたままで、最後まで分からないまま閉じてしまうという、不思議な余韻を残す作品集となっています。
最もその傾向が顕著なのは、「黒い森」でしょうか。ストーリーとしては・・・
海外勤務から10年振りに帰国した男性課長。復帰した本社の職場で、ある女性と知り合い、そのまま結婚するのですが、その事実を知った周りの人間たちは、皆こぞって、男性と関わりを避けようとする。終いには、会社での役員会議の議題にまでなってしまう。でも、何故、そんな反応を周囲が示すのか。その女性は、一体何者なのか。どんな過去を背負っていて、どんな恐ろしいことが待っているのか、誰も絶対に教えてくれない。どんどん不安が増す男性。ついには、せっかく田舎から上京してきた男性の母親までが、「ともかく別れなさい。命が幾つあっても足りなくなる。恐ろしくて、あの女性とは一緒にいたくない」とまで言って、早々に男性の家を出てしまう。しかし、最後まで、男性と読者は、その女性の謎が一体何なのか、分からずに終わる・・・。
うあ~気になる。何だ、この物語の引き具合は!!この女性の謎は一体何なのだ・・・。乏しい私の想像力では、思い付かないのですよ・・・。あああ、答えを知りたい。
とまあ、こんな感じで、他の10篇も不思議な余韻を残したまま、閉じてしまうのです。どうです??気になるでしょう??
そんな中で、とある1篇の主人公の名前が、偶々、私と同じ名前だったのです。過去にも、自分の名前が小説の主人公と一緒だったことはあるかもしれないけど、記憶に残ってない。とにかく、浅田作品では初めてです。初読時は、ちょっと、ドキッとしました。自分の名前だけに、小説の中の主人公には、妙な親近感が湧くものです笑。
で、またその1篇が非常に良い話なんですよ。不器用な優しさというか、ほろりとさせられてしまうのです。自分の名前と同じという贔屓分をちゃんと差し引いて、11篇を公平に見ても、この短編集では、その作品が一番好きですね。
その前は、「つばさよつばさ」(小学館文庫刊)を読みました。
この作品は、JAL機内誌『SKYWARD』に連載されていた、旅が主テーマのエッセイ集です。これがまた、とても面白い!!重量感はなく、簡単に書かれている様でいて、良く読めば読む程、おかしみや人情、時には切なさまで感じられる、味わい深い面白さなんです。こういう文章を、書ける様になりたいものです。
私の一押しは、「とっておきの料理」でしょうか。描かれている場面を想像するだけで、1人で笑えてしまいます。通勤中の電車の中で、危うくアブナイ人になるところでした笑。とても面白いです。
あ~話が急に変わるけれど、旅をテーマにしたエッセイなんかを読んでいたら、旅がしたくなりました笑。ん~海外旅行に行きたい!まだ見ぬ世界遺産が、私を呼んでいる・・・笑。







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