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July 04, 2010

シェエラザード

 4日は、お誘いを受けたので、横浜・みなとみらいホールに、横浜シティ・フィルハーモニックさんの第49回定期演奏会を聴きに行って来ました!


 曲目はこちら・・・

 ・ボロディン  交響詩 「中央アジアの草原にて」
   同      交響曲 第3番

 ・リムスキー=コルサコフ 交響組曲 「シェエラザード」


 でした。



 私は、クラシック超素人なので、どれも初めて聴く曲だったのですが、とても聴きやすく、肩肘張らずに、ゆったりした気分になれました。特に、「シェエラザード」は先に音源を貸してもらっていたので、入りやすかったです。主旋律が覚えやすく、心地良かったです。




 

 私は、本当にクラシックに明るくないので、細かい表現技法については、よく分からないので、「良かった」「素敵だった」という感想しか言えません。未だに、どの楽器がどの音を奏でているのか、判別するのが難しい。それでも、全般的に聞いて思ったのは、やっぱり生で聴くのは、迫力があるということです。クライマックスになるに連れて、音量が増す、音域が広がる、同じ旋律を様々な楽器が畳みかける様に繰り返す、というのは、オーケストラならではの醍醐味なんだろうなあと思いました。とても格好良い演奏でした。




 ところで、少し趣を変えると、今回の曲目・作曲者を聴いた時から、「面白いな」と思っていました。いや、最初はあまりピンと来なかったのです。何しろ、ボロディンと聞いた時は、作曲家:アレクサンドル・ボロディンではなく、中国近代史、第一次国共合作で登場して来るコミンテルン工作員:ミハイル・ボロディンだと思った位なので・・・笑。



 で、よくよく作曲家:アレクサンドル・ボロディンを調べてみると、彼は、「韃靼人の踊り」も作曲していると言う・・・。ここまでで、十分に面白かったですね。ロシア人が、中央アジアを題材にした曲を幾つも作っている・・・。いや、面白いです。しかも、時代は丁度、19世紀後半。ロシアが南下に躍起になっている時じゃないですか。やっぱり、そういう風潮だったのだろうか、草原地帯や凍らない海(不凍港)に対する憧れ、需要は強かったのだろうなあと、自分勝手に推測すると、興味深いです。もしくは、元々、ステップロードって南ロシアを通ってますからねえ。ヨーロッパの中では、アジアとヨーロッパを繋ぐ広大な土地を領するロシア人にしか、「中央アジアの草原にて」は作れないかもしれない。交流が自然だっただろうから。そう思うと、やっぱり、ロシア人が作曲した、ということに意義がある気がする。





 

 おまけにもう1つ。
 シェエラザードですが、これは、アラビアン=ナイト(千夜一夜物語)を題材にしたものです。シェエラザードとは、物語に登場するヒロインの名前なのです(最初、シャハラザードで習った為、ピンと来なかった・・・笑)。



 で、このアラビアン=ナイトという物語ですが、実は、か~な~り、大人向けの物語なのを、皆さんはご存知ですか???私は、高校1年でこのトリビアを授業中に聞いたのですが、アラビアって、男性も女性も発想というか、やることが凄いと思ったものです笑。




 物凄く簡単に書くと、王様の「女性不信克服物語」なのですが、それだと端的過ぎるので、もう少し詳しく書きます笑。




 ある兄王弟王が、それぞれ、自分の留守の間に、奥さんに不倫されちゃうのです。兄嫁さんは、複数人を相手に不倫!弟嫁さんは、奴隷を相手に不倫!その場面を目撃または聞いてしまった兄弟王は、ショックのあまり、揃って旅に出ちゃうのです。
 旅先で知り合った(攫った)女性には、「私は、これまで570人の男性を誘惑したの。私達女性は、やりたいと思ったことは絶対やるの」と言われ、すっかり女性不信となった兄王(シャリアール)は、毎晩、街の若い純真無垢な女性を呼びつけては、一晩だけ過ごし、翌朝には殺すという暴挙を、実に3年も続ける様になった。
 流石に、3年も続けると、街に若い女性がいなくなり(365日×3年=1095人!!)、このままでは、街が衰退してしまう・・・。そうした危機に立ちあがったのが、大臣の娘のシェエラザード。彼女は、王の元に出向き、通常ならば翌朝殺される運命にあるものの、何故か、彼女は殺されない。殺されないどころか、毎日毎日、王に呼び出される。そして、生きて帰る。それは何故か・・・。
 賢いシェエラザードは、王に物語を一日に少しずつ聞かせ、クライマックスで一番続きが気になるところで、話を止めてしまうのだ。すると、王は続きが気になって気になって仕方ない。殺せない。一旦は生きて返して、次の晩に呼ぶ。その話を聞いて殺そうと思っても、次の新しい話を聞かされて、また良い所で翌日に持ち越しされてしまう。殺せない。これを繰り返すこと千夜一夜・・・。

 女性不信で凝り固まった王の心は解かれ、解いたシェエラザードは、王と結婚するというハッピーエンドで終わるのです(女性不信克服物語でしょう笑?)。

 


 ちょっと長くなってしまいましたが、このあらすじについては、習ったプリントの場所まで覚えていて、今、手元にもノートを引っ張り出して再読したのですが笑、このアラビアン=ナイトを題材にした曲なのか、ということで、とても親近感というか、楽しみでした。




 自分が高校で習った大好きな世界史が、今度は音楽として帰ってくる。博物館や美術館からばかりだったリターンが、今度は音楽と言う形でも味わえる様になった。それが、個人的にはとても嬉しいし、楽しい。シェエラザードは、曲自体もとても気に入りましたが、それにプラスαの醍醐味が味わえて、とても良かったです。そして、改めて、世界史の引き出しの広さに感動しました。




 

 色んな意味で、非常に良い演奏会でした。コンサートが終わって1日経つのに、未だに、シェエラザードは、頭の中で主旋律が鳴っています。すっかりお気に入りになってしまいました。クラシック音楽は、敷居が高いというか、住む世界が違う(品格が要る)と言うか、自分には縁がなさそう、難しそうと思って、勝手に食わず嫌いの部分があったのですが、純粋に素敵なものなんだなあ、心地良い曲なんだなあとようやく感じられる様になった気がします。以前よりも、曲に触れる回数が増えたからだと思いますね。また機会があれば、クラシックを聴きに行きたいなあと思います。その時は、また、プラスαのリターンがあると良いなあ。

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